アブ・シンベル神殿、古代エジプトの栄華を今に伝える壮麗な石造建築!
エジプト旅行の計画を立てている方へ。今回は、エジプト南部のアスワン県の都市「アッスーアン(Aswan)」から少し離れた場所に位置する、「アブ・シンベル神殿」をご紹介します。
この神殿は、紀元前13世紀頃にファラオ・ラムセス2世によって建設されました。古代エジプト文明の威厳を今に伝える壮麗な石造建築であり、その規模と彫刻の美しさは息を呑むほどです。
歴史に刻まれた神殿、その移築と再生
アブ・シンベル神殿は、もともとナイル川沿いに建っていました。しかし、20世紀初頭にアスマーンハイダムの建設計画が進み、ダムの貯水によって水没する恐れが出てきました。そこで、ユネスコやエジプト政府が中心となって、神殿の移築プロジェクトがスタートしたのです。
1960年代から1970年代にかけて、巨大なクレーンと精密な技術を用いて、神殿はブロックごとに解体され、約300メートル高い位置に再建されました。この大規模な移築作業は、当時の技術力と人類の協力体制を象徴する偉業と言われています。
古代エジプトの神々を祀る壮大な建築様式
アブ・シンベル神殿は、ラムセス2世とその王妃ネフェルタリの像が高さ約20メートルで堂々と建つファサードから構成されています。内部には4つの部屋があり、それぞれに異なる神々が祀られています。
- 第1部屋: ラムセス2世を太陽神ラーとして崇める部屋
- 第2部屋: 冥界の神オシリス、女神ハトホル、神アメンなどを祀る部屋
これらの部屋には、壁面全体に精巧なレリーフが描かれています。神々、王族、戦いの場面などが生き生きと描かれ、当時のエジプト人の信仰や生活様式を垣間見ることができます。
観光客への情報:アクセス、開館時間、注意点
アブ・シンベル神殿へは、アスワンからバスまたはタクシーで約300キロメートル移動する必要があります。ツアーに参加すれば、交通手段の確保やガイドによる解説などがスムーズに受けられます。
- 開館時間: 午前6時〜午後6時
- 入場料: エジプト人の場合、10エジプトポンド、外国人観光客の場合、240エジプトポンド(約1,500円)
アブ・シンベル神殿は、太陽の光が内部に差し込む時間帯によって、壁面に描かれたレリーフの表情が変化する「光の演出」を見ることができます。
旅行を楽しむためのヒント:
- 早朝訪問: 暑さを避け、人混みを避けるために、朝の早い時間帯に訪れることをおすすめします。
- 帽子・サングラス・日焼け止め: 太陽が強い地域なので、日差し対策は必須です。
- 水を持参: 十分な水分補給を心がけましょう。
アブ・シンベル神殿は、エジプト旅行のハイライトになること間違いなしです!古代エジプト文明の神秘に触れ、忘れられない思い出を作りましょう!
時間帯 | 光の演出 |
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午前6時~7時 | 神殿の奥にあるラムセス2世の像に太陽が当たります |
午後10時~11時 | 神殿内部の壁面全体に太陽光が差し込み、鮮やかに彩られます |